プロップファーム業界再編|2024年に100社閉鎖の中、生き残る会社の5つの条件

プロップファーム
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かいたい先生

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「最近、使っていたプロップファームが急に閉鎖した」「出金できなくなった」

2024年から2025年にかけて、こうした声がSNS上で急増しています。

実際、2024年だけで80〜100社のプロップファームが閉鎖したと言われています。その一方で、FTMOによるOANDA買収、QT FundedによるEarnex買収など、大型M&A(合併・買収)も相次いでいます。

この記事では、プロップファーム業界で何が起きているのか、そして今後生き残るプロップファームの条件は何なのかを、最新データをもとに徹底分析します。

✅ この記事でわかること

  • 2024年に閉鎖したプロップファーム一覧と閉鎖理由
  • 業界再編の引き金となった「MetaQuotes問題」の実態
  • FTMO×OANDA、QT×Earnexなど大型M&Aの背景
  • 今後生き残るプロップファームの5つの条件
  • トレーダーとしてどうプロップを選ぶべきか

【動画】プロップファーム業界再編(近日公開予定)


2024年、プロップファーム業界で何が起きたのか?

2024年は、プロップファーム業界にとって「大淘汰の年」でした。

衝撃の数字:80〜100社が閉鎖

Finance Magnates Intelligenceの調査によると、2024年だけで80〜100社のプロップファームが市場から消えたとされています。これは業界全体の約14%(7社に1社)に相当します。

しんしょ君
しんしょ君
えっ!?100社も閉鎖したんですか!?
かいたい先生
かいたい先生
はい、しかもこれは「閉鎖が確認できた数」なので、実際にはもっと多い可能性があります。2023年後半から2024年初頭にかけてプロップファームが急増した反動で、淘汰が一気に進んだんです。

2024年に閉鎖した主なプロップファーム

会社名 閉鎖時期 主な理由
MyForexFunds 2023年後半〜 規制当局による凍結・訴訟
The Funded Trader 2024年3月 運営問題・プラットフォーム移行失敗
SurgeTrader 2024年5月 Match-Tradeとのライセンス紛争
True Forex Funds 2024年 規制圧力
Funded Engineer 2024年7月 流動性問題・破産申請
Funds For Traders 2024年 EightcapによるMT4/MT5サポート終了
Karma Prop Traders 2024年 流動性問題(開業2ヶ月で閉鎖)
Ascetic Capital 2024年 売上不振(開業1週間で閉鎖)
Smart Prop Trader 2024年11月 事業再編(新サービス準備中と発表)
Skilled Funded Traders 2024年 運営継続困難

⚠️ 注意

閉鎖したプロップファームの多くは、トレーダーへの出金を完了しないまま突然サービスを停止しています。チャレンジ費用や未払い利益の回収は困難なケースがほとんどです。


業界再編の引き金:MetaQuotes問題とは?

これだけ多くのプロップファームが閉鎖した最大の原因は、MetaQuotes(MetaTrader開発元)によるプロップファームへのライセンス提供停止です。

MetaQuotesの決定が業界を直撃

2024年初頭、MetaQuotesは突然、多くのプロップファームに対してMT4/MT5のライセンス提供を停止・制限する決定を下しました。

📝 MetaQuotesがライセンス停止した背景

  • プロップファームの「デモ口座」運用に対する懸念
  • 規制当局からの圧力
  • ブランドイメージの保護

しんしょ君
しんしょ君
なんでMT4/MT5が使えなくなると閉鎖しちゃうんですか?
かいたい先生
かいたい先生
多くのプロップファームはMT4/MT5に依存していて、代替プラットフォームへの移行に時間とコストがかかるんです。資金力のない会社は移行が間に合わず、そのまま閉鎖に追い込まれました。

プラットフォームシェアの激変

Brokeree Solutionsの調査によると、プロップファーム業界のプラットフォームシェアは以下のように激変しました。

プラットフォーム 2024年Q1 2024年Q4
MetaTrader(MT4/MT5) 48% 24%(半減)
cTrader/TradeLocker/DXTrade等 52% 76%

わずか1年でMetaTraderのシェアが半減したのです。

また、1社あたりの対応プラットフォーム数も1.8→2.6に増加。プロップファームは「特定プラットフォームへの依存リスク」を痛感し、複数プラットフォーム対応を急ぎました。


大型M&Aの時代へ:FTMO×OANDA、QT×Earnex

閉鎖が相次ぐ一方で、大手プロップファームは積極的なM&A(合併・買収)で勢力を拡大しています。

FTMO、OANDAを買収(2025年12月完了)

2025年12月1日、プロップファーム最大手のFTMOが、老舗ブローカーOANDAの買収を完了しました。

📝 OANDA買収の概要

  • 売主:CVC Asia Fund IV(2018年からOANDAを保有)
  • 買主:FTMO(チェコ拠点のプロップファーム最大手)
  • 規制承認:5つの規制当局から約8ヶ月かけて取得
  • 買収金額:非公開
  • アドバイザー:J.P. Morgan(FTMO側)、Nomura・Santander(CVC側)

FTMOの共同創業者Otakar Šuffner氏は、買収の目的について次のように述べています:

「長期的な計画は、あらゆるレベルのトレーダーにサービスを提供する”トレーディング・パワーハウス”を構築することです。モダンなプロップトレーディング、ブローカレッジ、そして関連ツールを統合します。8つの主要市場でライセンスを持つOANDAは、このビジョンに完璧にフィットします」

QT Funded、Earnexを買収(2025年12月)

同じく2025年12月、QT Funded(Quant Tekel)も「Earnex Funded」の買収を発表しました。

  • Earnexのトレーダー・アカウントがすべてQTプラットフォームに移行
  • QTのファンデッドトレーダーコミュニティが85,000人以上に拡大
  • 180カ国以上でサービス展開

QT Fundedは以前「AscendX Capital」として経営難を経験し、リブランドで復活した会社です。わずか1年で他社を買収する側に回ったのは、業界でも異例のケースです。

しんしょ君
しんしょ君
プロップファームがブローカーを買収するって、どういうメリットがあるんですか?
かいたい先生
かいたい先生
大きく3つあります。

プラットフォーム問題の解消:自社でブローカーを持てば、MetaQuotesに依存せずに済む

リアルマネー運用への移行:優秀なトレーダーを実際のブローカー顧客に誘導できる

収益源の多角化:チャレンジ費用だけでなく、ブローカー手数料も得られる

業界再編の構図

買収側 被買収側 種類 時期
FTMO OANDA プロップ→ブローカー 2025年12月
QT Funded Earnex Funded プロップ→プロップ 2025年12月
QT Funded 自社ブローカー プロップ→ブローカー 2025年
TradingFunds Funded Friends プロップ→プロップ 2024年9月

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今後生き残るプロップファームの5つの条件

この業界再編を踏まえ、今後生き残るプロップファームの条件を分析しました。

条件①:複数プラットフォームへの対応

MetaQuotes問題で明らかになったのは、単一プラットフォームへの依存リスクです。

生き残るプロップファームは:

  • MT5だけでなく、cTrader、TradeLocker、DXTrade等を複数提供
  • 自社プラットフォームの開発も視野に
  • プラットフォーム提供元との良好な関係構築

💡 チェックポイント

利用を検討しているプロップファームが、MT5以外のプラットフォームに対応しているか確認しましょう。

条件②:自社ブローカー機能の保有

FTMOのOANDA買収、QT Fundedの自社ブローカー買収に見られるように、垂直統合(プロップ+ブローカー)がトレンドになっています。

自社ブローカーを持つメリット:

  • 取引環境(スプレッド・約定)の完全コントロール
  • 外部依存リスクの排除
  • 収益源の多角化
  • 規制対応力の強化

条件③:十分な支払い実績と透明性

閉鎖したプロップファームの多くは、支払い遅延や未払いが問題になっていました。

信頼できるプロップファームの特徴:

  • 累計支払い額を公開している(例:FTMO $100M+、QT Funded $14M+)
  • 支払い証明をブロックチェーン等で検証可能
  • Trustpilot等の第三者レビューで支払いに関する評価が良好
  • SNSで実際のトレーダーが出金報告をしている

条件④:規制対応力とコンプライアンス体制

MyForexFundsの凍結に見られるように、規制当局の監視は年々厳しくなっています。

特に米国・カナダ・EUでは、プロップファームに対する規制強化の動きが進んでいます。

生き残るプロップファームは:

  • 法的なグレーゾーンを避けた運営
  • 適切な金融ライセンスの取得(または提携ブローカー経由での対応)
  • KYC/AML(本人確認・マネーロンダリング対策)の徹底
  • トレーダーとの契約関係の明確化

条件⑤:持続可能なビジネスモデル

閉鎖したプロップファームの中には、「ポンジ・スキーム」的なビジネスモデルだったものもあると指摘されています。

つまり:

  • 新規チャレンジ購入者からの資金で、既存トレーダーへの支払いを賄う
  • 新規流入が止まると支払いができなくなる

持続可能なプロップファームは:

  • トレーダーの利益と会社の利益が連動(リアルマネー運用 or ライブ口座への接続)
  • チャレンジ費用だけでなく、スプレッド収入等の複数収益源
  • 適切なリスク管理(トレーダーの損失上限設定など)

しんしょ君
しんしょ君
ポンジ・スキームって…怖いですね。どうやって見分ければいいんですか?
かいたい先生
かいたい先生
100%見分けるのは難しいですが、いくつかの目安があります。

運営年数:1年以上の実績があるか
支払い総額:公開されているか
経営の透明性:創業者や経営陣が公開されているか
価格設定:異常に安すぎないか(安すぎる=持続不可能の可能性)


生き残り条件を満たすプロップファーム比較

上記5つの条件をもとに、主要プロップファームを評価しました。

会社名 複数PF 自社ブローカー 支払い実績 規制対応 運営年数
FTMO ◎(OANDA買収) ◎($100M+) 10年
Fintokei【推奨】 △(提携)
(22億円)
2年+
FundedNext △(提携) 3年+
QT Funded ◎(自社買収) ○($14M+) 1年(リブランド後)
The 5%ers △(提携) 8年+
PipFarm △(提携) 1年+

※評価は2025年12月時点の公開情報に基づく


トレーダーとしてどうプロップを選ぶべきか?

業界再編が進む中、トレーダーとしてプロップファームを選ぶ際のポイントをまとめます。

選び方①:分散投資の考え方を適用する

1社に全額を投入するのではなく、複数のプロップファームに分散することをおすすめします。

  • メイン:実績豊富な大手(FTMO、Fintokei、FundedNextなど)
  • サブ:成長中の注目プロップ(PipFarm、QT Fundedなど)

選び方②:出金実績を重視する

チャレンジの「合格しやすさ」よりも、「出金の確実性」を優先しましょう。

  • Trustpilotの出金関連レビューを確認
  • X(Twitter)で実際の出金報告を検索
  • Discord/Telegramコミュニティの雰囲気を確認

選び方③:新興プロップは少額から

新しいプロップファームは魅力的な条件を提示することが多いですが、まずは少額プランで様子見するのが賢明です。

  • $10K〜$25Kの小さめプランから開始
  • 実際に出金できることを確認してから増額
  • 開業1年未満のプロップは特に慎重に

選び方④:プラットフォーム対応を確認

MT5しか対応していないプロップは、将来的なリスクがあります。

  • cTrader、TradeLocker、DXTradeなど複数対応しているか
  • 自分が使い慣れたプラットフォームがあるか

しんしょ君
しんしょ君
結局、どのプロップファームを選べばいいんですか?
かいたい先生
かいたい先生
日本人トレーダーにとっては、日本語対応があるFintokeiがまず第一選択肢ですね。サポートが日本語で受けられるのは大きな安心材料です。

その上で、FundedNextFTMOを組み合わせると、リスク分散になります。


2025年以降の業界展望

予測①:さらなる淘汰と統合

FPFX TechのCEO Justin Hertzberg氏は次のように警告しています:

「2025年にはさらに多くのプロップファームが閉鎖、運営停止、または訴訟や批判にさらされることを予想しています」

業界の淘汰はまだ終わっておらず、今後も中小プロップの閉鎖・大手への統合は続くでしょう。

予測②:規制の明確化

現在、プロップファームは法的にグレーゾーンな部分が多いですが、今後は:

  • 各国で明確な規制枠組みが整備される
  • ライセンス取得が必須になる可能性
  • 規制対応できない会社は市場から退出

予測③:プロップ×ブローカーの融合

FTMO×OANDAの動きに続き、プロップファームとブローカーの境界線が曖昧になっていくでしょう。

  • プロップで腕を磨く → 実績を積む → ブローカーで実資金運用
  • このパスを1つのグループ内で完結できる会社が強い

よくある質問(FAQ)

Q1. 2024年にプロップファームが大量閉鎖した理由は?

最大の原因はMetaQuotes(MT4/MT5開発元)によるプロップファームへのライセンス提供停止です。代替プラットフォームへの移行が間に合わなかった会社や、元々資金力のなかった会社が閉鎖に追い込まれました。

Q2. FTMOがOANDAを買収した目的は?

プロップトレーディング、ブローカレッジ、関連ツールを統合した「トレーディング・パワーハウス」を構築するためです。自社でブローカーを持つことで、プラットフォーム依存リスクを排除し、収益源も多角化できます。

Q3. プロップファームが閉鎖するとトレーダーはどうなる?

残念ながら、多くの場合チャレンジ費用や未払いの利益は回収困難です。閉鎖前に出金トラブルの兆候(出金遅延、サポート応答悪化など)が見られることが多いので、早めの対応が重要です。

Q4. 今後生き残るプロップファームの条件は?

①複数プラットフォーム対応、②自社ブローカー機能、③十分な支払い実績と透明性、④規制対応力、⑤持続可能なビジネスモデルの5つが重要です。

Q5. 新興プロップファームは避けるべき?

必ずしも避ける必要はありませんが、少額プランから始めて実際に出金できることを確認してから増額するのが賢明です。開業1年未満のプロップは特に慎重に判断しましょう。

Q6. MT5しか対応していないプロップは危険?

現時点で即座に危険とは言えませんが、2024年のMetaQuotes問題を踏まえると、複数プラットフォームに対応しているプロップの方が将来的なリスクは低いと言えます。

Q7. プロップファームの出金実績はどこで確認できる?

Trustpilotのレビュー、X(Twitter)での出金報告、公式Discord/Telegramコミュニティ、そして各社の公式発表(支払い総額など)で確認できます。

Q8. 日本人トレーダーにおすすめのプロップは?

日本語サポートがあるFintokeiが第一選択肢としておすすめです。英語に抵抗がなければ、FundedNext、FTMO、The 5%ersなど実績豊富な大手も選択肢に入ります。

Q9. プロップファームの「ポンジ・スキーム」とは?

新規チャレンジ購入者からの資金で既存トレーダーへの支払いを賄うビジネスモデルのことです。新規流入が止まると支払いができなくなり、突然閉鎖するリスクがあります。

Q10. 2025年のプロップファーム業界はどうなる?

さらなる淘汰と統合が続くと予想されています。規制の明確化も進み、コンプライアンス対応できない会社は市場から退出する流れになるでしょう。一方で大手は買収を通じて勢力を拡大しています。


まとめ:淘汰の時代を生き残るために

2024年は80〜100社のプロップファームが閉鎖し、業界は大きな転換点を迎えました。

この激動の中で見えてきた「生き残るプロップファームの条件」は:

✅ 5つの生き残り条件

  1. 複数プラットフォームへの対応
  2. 自社ブローカー機能の保有
  3. 十分な支払い実績と透明性
  4. 規制対応力とコンプライアンス体制
  5. 持続可能なビジネスモデル

トレーダーとしては:

  • 実績豊富な大手を中心に選ぶ
  • 1社に依存せず分散する
  • 新興プロップは少額から慎重に
  • 出金実績を重視する

という姿勢が重要です。

業界再編は「危機」でもありますが、信頼できるプロップファームが明確になる「機会」でもあります。この記事が、皆さんのプロップファーム選びの参考になれば幸いです。

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